インドの農務大臣は、米国と英国を含む数ヵ国からのサラブレッド輸入を解禁した。
米国において馬伝染性子宮炎(contagious equine metritis)が報告されていなかったにも拘らず、この疾病に対する懸念から、数年前から繁殖用馬の輸入禁止が行われていた。
キーンランド協会(Keeneland Association)のセリ販売代理人であるチョーンシー・モリス(Chauncey Morris)氏は、「私たちはこのことについて大変喜んでいます。インドはサラブレッドの成長市場であり、インド経済は非常に健闘しています。在インド 米国大使館および英国大使館と一緒になって、馬伝染性子宮炎が御しやすい疾病であるという正しい科学的知識を粘り強く発信し続けていたのは生産者たちで す」と語った。
「インドは国際獣疫事務局(World Organization for Animal Health, 別名OIE)の調印国の中で、馬伝染性子宮炎を理由にして、英国と米国からの輸入を禁止していた唯一の国です」。
インドは、アイルランドからの輸入馬に関しては何の措置も取ってはおらず、インドの顧客は、アイルランドのゴフス社(Goffs)の11月の繁殖牝馬 セールと2月セールにおいて大量購入者であった種牡馬エージェントのヒューゴ・メリー(Hugo Merry)氏を通して、アイルランドのセールに積極的であった。
メリー氏は、2008年には98頭、2009年には110頭の繁殖牝馬をアイルランドからインドに送り出した。
メリー氏は今年の初めに、「インドの顧客は購買に積極的であるという見解がありますが、実際にはさまざまな場所で購買する代わりに、たった数日間のゴフス社のセールですべての購買を行っているわけです」と語っていた。
キーンランド協会は、繁殖用馬輸入禁止を撤廃するために、英国のサラブレッド生産者協会(England’s Thoroughbred Breeders’ Association)およびインドの全国馬生産者協会(National Horse Breeding Society)と共に働きかけた。
タタソールズ社(Tattersalls)は、5月20日の記者会見において次のように語った。「英国の生産者とセリのコンサイナーに及ぼす影響は甚大 なものです。インドの顧客は2009年に、170万ユーロ(約2億400万円)の価格で79頭の繁殖牝馬を購買しました。これは、インドのサラブレッド産 業がますます重要となっていることを示しています」。
輸入禁止は、過去に一度も種付を行ったことのない馬には適用されなかった。今後インドの牧場で供用されることとなった種牡馬の中には、フィップスステー ブル(Phipps Stable)からのG1馬ダンシングフォーエバー(Dancing Forever)やエドムンド・ガン(Edmund Gann)氏の牧場からのG2馬ユーアンドアイフォーエバー(You and I Forever)が含まれている。
By Jeff Lowe
(1ユーロ=約120円)
[thoroughbredtimes.com 2010年5月20日「India lifts import ban on U.S. Thoroughbred breeding stock」]