BHA(英国競馬統轄機構)もブックメーカーも、もし質の高いレースが週末全体に分散されれば日曜開催を成功させる可能性はあると確信しており、あるブックメーカーはレースを土曜日に集中させ過ぎることで競馬界は自滅のボタンを押していると主張した。
BHAは2010年初めに、競馬場協会(Racecourse Association: RCA)とホースメングループ(Horsemen’s Group)の支持を得て、金曜日から日曜日にかけて“プレミア”レースを配置する段階的な競馬開催日程の青写真を作成した。週半ばに施行されるフェスティバル開催は別として、一流レースはこの3日間に開催される予定になっていた。
しかし、 競馬場の利益を前提として、この提案は4月から9月まで毎金曜日に1つ、毎土曜日に2つ、毎日曜日に1つの質の高い競馬番組を提供することを予定していたが、賦課金収入の劇的な減少により、この計画は棚上げにされた。
BHAの競走担当理事であるルース・クイン(Ruth Quinn)氏は、日曜日に質の高いレースをほとんど施行しないことで英国競馬はチャンスを逃していると確信している。
そして次のように語った。「明らかに商業上の理由から、質の高い競走の日曜開催が適切に試行されたことはありませんが、日曜開催を行ったならば将来的に入場者数においても賦課金収入においても競馬に成長をもたらすかもしれません」。
「賭事産業は以前、時間を掛ければ日曜日は番組内容と顧客をいかに惹き付けるかで主要な競馬開催日となり得るが、そのためにはより質が高く感動的な競馬日程やレースが必要とされるだろうと指摘していました」。
このことはとりわけ、ウィリアムヒル社(William Hill)のCEOであるラルフ・トッピング(Ralph Topping)氏にとってはフラストレーションのたまる問題である。同氏は、「競馬界は、非常に重要なレジャー日に何を提供するかについて的確に取り組んでいません。結果的に、先週の日曜日は障害競走が3つも開催されました。入場者数はそれなりだったのかもしれませんが、賭事客を競馬場から遠ざけているのは入場料の問題ではないのです」。
そして次のように続けた。「競馬の観客はベッティングショップの賭事客であり、BHAは賭事客に気に入ってもらえる競馬番組を組まなければなりません。競馬開催が土曜日に集中していることに対して、競馬界の最前線で活躍している多くの人々が疑問を呈している記事を読むのは興味深いです。これは、私が3年間言い続けてきたことです」。
「現行の賦課金制度を見ると、競馬界は自滅のボタンを押しているようです。賭事客は土曜日にはある一定の資金、自由時間、集中力の持続時間しか持っていません。競馬は複雑な賭事商品なので、競馬賭事客は他の賭事商品に流れてしまうかもしれません。昨今の日曜日の賭事売上げは低いですが、もっと高くてしかるべきです。現在のようにすべての競馬開催を土曜日に持ってくる必要はありません。供給過剰となっており、このことが賦課金制度を破綻させています。競馬界の人々がこのことに取り組んでくれることを期待しています」。
By Jon Lees
[Racing Post 2011年7月19日「BHA and bookies believe there is potential for better」]