8月18日、フランスは、動き出して間もない中国競馬産業と契約を交わした最も新しい競馬大国となった。
フランスギャロ(France Galop)とセリ会社アルカナ社(Arqana)は、北京から150 km離れた天津に建設される総工費20億ドル(約1,600億円)の競馬総合センターの開発を支援する団体として選ばれた。
この動きは、4月にアイルランド政府、クールモア牧場(Coolmore)および“天津競馬城(Tianjin Equestrian City)”計画共同スポンサーの間で交わされた同様の契約に続くものである。
フランスギャロはまず、獣医科学およびアンチドーピング科学の分野と、“国際的重要性”を持つ競馬番組作成において協力する。
そしてアルカナ社は、この冒険的事業においてもっぱらセリの仕組みの確立に責任を負う。
アルカナ社のエリック・オワイヨー(Eric Hoyeau)会長は、「これは私たちの中国への最初の一歩です。この合意は、アルカナ社だけではなくフランスの生産界全体にとって大きなチャンスです」と語った。
天津競馬城計画は、中国政府とマレーシアの開発会社TAKグループによる共同事業として立ち上げられた。TAKグループのテオ・アー・キン(Teo Ah Khing)社長は、富と人口の観点からこの計画が持つ将来の可能性を強調した。
同社長は、「天津はGDPが昨年約1.1兆ユーロ(約110兆円)で、また世界の中でも人口密度の高い中国の一都市です」と語った。
そして、「中国が裕福になりつつあるので、生産者および馬主になる可能性のある人々が多くいます。これらの熱心な人々を中国に留めておくために、私たちはこのような提携関係をお膳立てしているのです」と付け足した。
このプロジェクトにおけるアルカナ社の役割についてテオ社長は次のように語った。「私たちは、世界で最も成功しているセリ会社の1つと提携関係を結んだと考えています」。
また、今年初めにアイルランドとの契約に続いてフランスとの関係を追求した理由を聞かれ、次のように語った。「私たちは2014年に天津競馬城計画の生産とセリの分野を開始することを目標にしています。どの個人も企業も独力では運営できない事業です。中国競馬産業への後発者として、私たちは競馬産業の中で開発を一緒に行う最高の協力者を選べるという贅沢に恵まれています」。
いずれの契約でも、競馬と馬科学の全分野において中国の実践者を訓練するための海外の専門知識が必要であることが強調されている。天津のインフラのための最初の予算は20億ドル(約1,600億円)であり、2015年に国際的なレースを開始する前に2014年には国内レースを開催する。
中国は現在のところ、過去の植民地である香港とマカオのみで賭事が許容されているが、天津の開発は、中国大陸の人々に競馬賭事を導入する動きの前触れとなる可能性がある。
テオ社長は、「中国は人口13億5,000万人であり、このような規模でいきなり賭事を導入することになれば問題が生じるでしょう。中国政府は制度を正しく造り上げていく必要性を認識しており、今回のようなプロジェクトの実施を通じて賭事が導入されることになっていくものと確信しています」と語った。
By Scott Burton
(1ユーロ=約100円、1ドル=約80円)
[Racing Post 2012年8月19日「French sign major deal with expanding China」]