海外競馬情報 2015年10月20日 - No.10 - 1
ブリーダーズカップの経済効果は予測以上になる見込み(アメリカ)【開催・運営】

 ブリーダーズカップ協会(Breeders’ Cup Ltd.: BCL)は、今月末に開催される2015年ブリーダーズカップは1984年の創設以来最も成功するのではないかと述べている。

 キーンランド競馬場(ケンタッキー州中部)でブリーダーズカップが開催されるのは初めてである。メディアがあまり注目しない地域であるが、北米サラブレッド生産の中心地である。レキシントンのコミュニティーは、ブリーダーズカップ初開催に向け、1週間のフェスティバルの準備を進める上で、中心的な役割を果たしている。

 BCLのCOO(最高執行責任者)であるボブ・エリストン(Bob Elliston)氏は、次のように語った。「多くの人々が訪れ、長く滞在すると考えられます。2015年ブリーダーズカップの経済効果予測6,500万ドル(約78億円)は、控えめに見積もられているようです。2014年のホテル予約・粗収益・支出の情報を見れば、今年はそれを上回りそうです」。

 BCLはレキシントン地域でホテルの部屋を約4,200室押さえている。エリストン氏は、いくつかの民間の地方空港は自家用機の利用予約で一杯であるという噂があると述べた。

 追加の座席が仮設スタンドに設けられ、収容人数が大幅に増加したほか、ボックス席エリアが設けられた。これが主な理由となり、チケット収入はブリーダーズカップ史上で最高になると予測されている。これまでのブリーダーズカップも、座席を追加していたが、今年ほどのレベルではなかった。

 エリストン氏は、次のように語った。「キーンランド競馬場の小さなグランドスタンドを補うために、プレミアムシートを設置しました。それにより、チケット収入が増加しましたが、需要があるからという理由だけで人為的に座席の価格を上げたのではありません」。

 「30以上のブリーダーズカップ関連イベントが開催され、BCLが主催するものもあれば、レキシントンと馬コミュニティーが主催するものもありました。これは、ブリーダーズカップ史上最多です。また、これらのイベントのために過去最多の400人のボランティアが協力してくれました」。

 エリストン氏は次のように語った。「熱意と期待の度合いは、これまでのどのブリーダーズカップも凌駕しています。南カリフォルニアでは、ブリーダーズカップの日に他にも同じ規模のイベントが5〜6件開催されていた可能性もあります。しかし、ケンタッキー中部でブリーダーズカップが開催されるとなれば、一大イベントとなりますので、否応なく大きな注目を集めます」。

 そして、「BCL役員は、これまでの前向きな反応に基づいて、今回レキシントンで開催されるブリーダーズカップは将来の開催地を検討する上での“物差し”になると考えています」と付言した。
2016年と2017年のブリーダーズカップは南カリフォルニアで開催され、2018年以降の開催地はまだ発表されていない。


2015年ブリーダーズカップの概要
10月30日(金)
  全10レース中4レースがブリーダーズカップ競走。
  第1レース発走時刻は12時30分。
  総賞金200万ドル(約2億4,000万円)のBCディスタフ(G1)の発走時刻は17時35分。
10月31日(土)
  全12レース中9レースがブリーダーズカップ競走。
  第1レース発走時刻は11時。
  総賞金500万ドル(約6億円)のBCクラシック(G1)の発走時刻は17時35分。
 ブリーダーズカップ競走はすべてG1に格付けられている。出走可能頭数はBCダートマイル(G1)とBCフィリー&メアターフ(G1)が12頭である以外はすべて14頭である。
 単式馬券(単勝・2着払いの複勝・3着払いの複勝)の控除率は16%であり、それ以外の馬券の控除率は19%である。

By Tom LaMarra
(1ドル=約120円)

[bloodhorse.com 2015年10月1日「BC Economic Impact Looks Strong」]