9月9日発表の戦略的提携は、国際的に認められるサラブレッド競馬開催の土台作りに向けて、中国を大きく前進させることが期待される。
香港ジョッキークラブ(Hong Kong Jockey Club:HKJC)は中国馬術協会(Chinese Equestrian Association: CEA)と提携し、11月7日に四川省成都市郊外の金馬競馬場(温江区)において、チャイナホースレーシンググランプリ(China Horse Racing Grand Prix 全4戦)の最終レースを開催する。
HKJCがスポンサーを務めるこのレースは、“香港ジョッキークラブレースデー(Hong Kong Jockey Club Raceday)”と名付けられる。またHKJCは、騎手、裁決委員、決勝審判委員に対し現地講習とトレーニングを実施するとともに、先進的な薬物検査手順の構築を支援する。
HKJCの競馬統轄担当専務理事であるアンドリュー・ハーディング(Andrew Harding)氏は、「我々の技術的識見と実地経験を共有することで、HKJCは今後数年間CEAと密接に取組むつもりでいます。中国の競馬運営を手助けすることを目標に、競馬における管理と規制のあらゆる側面を強化します」と語った。
サウスチャイナモーニングポスト紙(South China Morning Post: SCMP)によれば、HKJCは、他のゲーミング・スポーツ事業の支援を実施している。例えば、中国のスポーツくじにおけるソフトウェア開発やリスク管理などを支援し、2008年北京五輪における施設建設と馬関係イベント運営のために、12億香港ドル(約192億円)を投資した。
CEAを監督する国家体育総局自転車フェンシング運動管理センターの副主任である季道明氏は、次のように語った。「中国大陸の馬市場の大きな発展の可能性とHKJCが有する競馬運営の専門知識を考慮すれば、CEAとHKJCの戦略的提携は完璧な組合せです。双方の長所が引き出され、高水準の国際競馬ブランドが作られるでしょう」。
11月7日の出走馬の大半には、グランプリシリーズのこれまでの3戦を通じて出走資格が与えられている。SCMPによれば、その3戦は以下の日程で施行された。
7月11日:内モンゴル自治区カルチン近郊
8月8日:内モンゴル自治区シリンホト市
9月5日:山西省右玉県
中国大陸では賭事が認められていない。HKJCのCEOウィンフリード・エンゲルブレヒト-ブレスケス(Winfried Engelbrecht-Bresges)氏は、SCMPに対し、「この提携の重要な側面は、スポンサーシップとマーケティング事業を通じて収益を上げるためのビジネス専門知識を提供することです」と語った。
そして、提携を発表する一環として次のように述べた。「中国大陸における競馬の持続的成長に貢献するために、重要なパートナーであるCEAに依頼されました。現在中国で行われている速度競馬を土台とし、競馬の質と規制を新たなレベルに押し上げることのできる重要な分野を特定しています。CEAが競馬をさらに発展させ、公正確保を重視した競馬運営を行うための能力とプロセスを構築するために協力することが重要です。これは、アジア競馬連盟(Asian Racing Federation)やIFHA(国際競馬統轄機関連盟)と共有する重要な使命です」。
11月7日に金馬競馬場で施行されるレースの詳細は今後発表されるだろう。
By Blood-Horse Staff
(1香港ドル=約16円)
[bloodhorse.com 2015年9月10日「HK Jockey Club Helping Grow Racing in China」]