凱旋門賞(G1・10月2日)でガリレオ産駒が1着~3着を独占したことにより、種牡馬ガリレオ(Galileo クールモア牧場で供用)の偉大さが明白となった。優勝したのは牝駒ファウンド(Found)。2着と3着はいずれも牡駒のハイランドリール(Highland Reel)とオーダーオブセントジョージ(Order Of St George)。3頭はすべてエイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)調教師に管理されている。
驚くべきことに、ガリレオ産駒がG1レースで1着~3着を独占するのは5回目である。これまでの4回は以下のとおり。
今回ファウンドが勝利を収めるまで、凱旋門賞はガリレオ産駒が制覇したことのない稀なレースだった。ガリレオの母アーバンシー(Urban Sea)や半弟シーザスターズ(Sea The Stars)がこのレースを制したことを考えれば、不思議なことだった。
ファウンドは、レッドエヴィー(Red Evie 父インティカブ)の第4仔である。レッドエヴィー(マイケル・ベル厩舎)は2006年メイトロンS(G1)を制し、2007年ロッキンジS(G1)でトップマイラーのラモンティ(Ramonti)を下した。
レッドエヴィーは、クールモア牧場と協力関係にある馬主グループのロンコン氏、ワイナット氏、チェルストン氏(Roncon, Wynatt & Chelston)により、2013年を除いて毎年ガリレオの元に送られている。
レッドエヴィーはファウンドのほかに、G3勝馬のベストインザワールド(Best In The World)とマジカルドリーム(Magical Dream)を出産している。今年2歳の仔はいないが、1歳の牡駒と当歳の牝駒がいる。
レッドエヴィーは、ダーモット・カンティロン(Dermot Cantillon)氏とフォレノーツスタッド(Forenaghts Stud)により生産され、母はイタリアの6ハロン(約1200m)のリステッド競走を制したマラフェメナ(Malafemmena)である。マラフェメナは、半兄にボワ賞(G3)優勝馬エクスポートプライス(Export Price)がおり、母は1981年愛1000ギニー3着馬マーティノヴァ(Martinova)である。
レッドエヴィーの仔が1歳セールに上場されることはない。しかし、今回の凱旋門賞の2着馬と3着馬の兄弟は、共にタタソールズ社10月1歳セール(Tattersalls October Yearling Sale 10月4日~6日)に上場される予定であり、その血統的価値はタイミングよく高められることになった。
ハイランドリールにはすでに、グレートヴォルティジャーS(G2)を制したアイダホ(Idaho)という優秀な全弟がいるが、今回の1歳セールには全妹がカマズパークスタッド(Camas Park Stud)により上場される予定[上場番号109番。62万5000ギニー(約8,203万円)で落札]。
また、オーダーオブセントジョージに関しては、半弟(父デクラレーションオブウォー)がクレアキャッスルスタッド(Clare Castle Stud)により上場される予定[上場番号460番。25万ギニー(約3,281万円)で落札]。
凱旋門賞の1着~3着を独占したことで、ガリレオ産駒の2016年の欧州における獲得賞金額は1,300万ポンド(約16億2,500万円)を超える。
By Martin Stevens
(1ポンド=約125円)
[Racing Post 2016年10月2日「Galileo gets first three home in the Arc」]