フランケル(Frankel)が2016年ファーストクロップサイアーズランキングで1位となることに、レースベッツ社(Racebets)は2-1(3倍)の最低オッズを付けた。このランキングは、平地シーズン(3月20日~11月5日)に英国・アイルランドで送り出した勝馬頭数で決定される。
フランケル(父ガリレオ)は故サー・ヘンリー・セシル(Sir Henry Cecil)調教師の管理の下、14戦14勝(うちG1・10勝)の見事な競走成績を収めて現役を引退した。2013年からは、オーナーブリーダーであるカリド・アブドゥラ(Khalid Abdullah)殿下のバンステッドマナー牧場(Banstead Manor Stud)において種付料12万5,000ポンド(約2,000万円)で供用されている。
フランケルに5回敗れたエクセレブレーション(Excelebration 父エクシードアンドエクセル)には、その次に低いオッズの3-1(4倍)が付けられている。同馬は1マイルまでの距離を得意とし、G1・3勝を果たした。
2歳時に3戦3勝を果たしたハーバーウォッチ(Harbour Watch)にはオッズ5-1(6倍)、レーシングポストトロフィー(G1)優勝馬カサメント(Casamento)にはオッズ6-1(7倍)、フランケルと同じ牧場で供用されているベイティッドブリース(Bated Breath)にはオッズ7-1(8倍)が付けられている。
レースベッツ社のスポークスマンであるジョセフ・バーク(Joseph Burke)氏は次のように語った。「フランケルの熱烈なファンによるものかどうかは分かりませんが、顧客は今年の賭けを普段よりもかなり早く開始するよう求めていました。昨年はフランケルの1歳産駒をめぐり極めて不当な予測もありましたが、現実にはその中間価格は45万ポンド(約7,200万円)となり、生産者は支出に対して大きな収益を得ることができました」。
「大局的に見れば、フランケルは長年の優良種牡馬である父ガリレオの1歳産駒の中間価格36万ポンド(約5,760万円)をあっさりと超え、ドバウィ(Dubawi)の1歳産駒の中間価格にわずか10%及ばなかっただけです。フランケルは競走馬として成功し、その産駒もセリで成功しました。今年のファーストクロップサイアーズランキングの1位を当てる賭けで、同馬がトップに立つことは理解できます」。
エクセレブレーションとハーバーウォッチの今年2歳となる初年度産駒は、フランケルの初年度産駒よりも早く存在感を示すだろうと、バーク氏は予想している。
そしてこう続けた。「エクセレブレーションは5回もフランケルに敗れましたが、宿敵フランケルが競走距離を10ハロン(約2000m)に延長してからは、マイル戦で素晴らしい活躍を見せました。同馬はフランケルが8月にデビューする前にすでに2勝を挙げていたので、エクセレブレーション産駒が最初からすぐに活躍するだろうと考えるのは理に適っています」。
「ハーバーウォッチはなおさら早熟な2歳馬で、7月末までに3回圧倒的な勝利を収めています。ハーバーウォッチの初年度産駒は頭数も多いので、今年すぐに結果を出さないとすれば予想外でしょう」。
同氏は次のように付言した。「これら3頭に、2歳でG1優勝を果たしたカサメントと、トップスプリンターのベイティッドブリースが続きます。そして素晴らしい血統のボーントゥシー(Born to Sea)の初年度産駒は、同馬の記念すべきクロップとなることでしょう」。
By Tom Pennington
(1ポンド=約160円)
[Racing Post 2016年2月24日「Mighty Frankel heads market to supply most winners in 2016」]