驚くには当たらないが、ブラッドホース誌の各サイアーズランキングに、日本の獲得賞金額が含まれたことで、サンデーサイレンスが2016年北米ブルードメアサイアーズ(母父)ランキングの首位に立った。
米国二冠を達成したヘイロー産駒は、1991年に日本に輸出されてから強い影響力を発揮してきた。サンデーサイレンスは日本競馬史上最も成功した種牡馬であり、JBBA(日本軽種馬協会)によれば、1995年から2007年まで13年連続でリーディングサイアーとなっている。
サンデーサイレンスは、同馬を母父とする馬が北米で出走したことにより、北米ブルードメアサイアーズランキングに登場した。
日本を拠点とするケンタッキー産馬ラニがケンタッキーダービー(G1)に出走したことで、サンデーサイレンスにそのチャンスが巡ってきたのだ。ラニはUAEダービー(G2)を制したことで、ケンタッキーダービーへの出走権を獲得していた。
ラニは三冠競走において、ケンタッキーダービー9着、プリークネスS(G1)5着、ベルモントS(G1)3着と着順を上げ、着実な進歩を遂げた。
北米ブルードメアサイアーズランキングに登場する資格を得たサンデーサイレンスは、同馬を母父とする日本で出走した馬により、その順位を押し上げられた。北米の賞金と日本・香港・シンガポールで提供される高額賞金の間には大きな差があることから、ブラッドホース誌はこのランキングに通貨換算した数字をそのまま適用していない。
2015年から適用されている獲得賞金モデルでは、日本・香港・シンガポールの獲得賞金は北米の獲得賞金と同じ水準に調整され、賞金額の不均衡は最小化されている。そして、種牡馬は調整後の獲得賞金額でランキングされる(訳注:日本・香港・シンガポールの賞金にはそれぞれ、50%・17%・57%が乗じられる)。
サンデーサイレンスは2002年に死んだが、調整後の獲得賞金額は2,125万8,065ドル(約21億2,581万円)で、北米ブルードメアサイアーズランキングのトップに立っている。同馬の影響力が引き続き強いことを物語っている。
稼ぎ頭のドゥラメンテは、中山記念(G2)で優勝し、ドバイシーマクラシック(G1)と宝塚記念(G1)で2着となった。獲得賞金額は177万9,157ドル(約1億7,792万円)である。
サンデーサイレンスの前に、米国・カナダ以外を拠点としながらも北米のリーディングブルードメアサイアーとなった種牡馬はデインヒル(Danehill)である。同馬を母父とする馬は2011年に1,683万3,880ドル(約16億8,339万円)を獲得した。7月23日現在、デインヒルは今年のブルードメアサイアーズランキングで9位だが、ステークス勝馬頭数だけを見れば23頭で首位である。
サンデーサイレンスは11頭のステークス勝馬を出しており、ガリレオ(Galileo)とサドラーズウェルズ(Sadler's Wells)とタイの4位である。
ストームキャット(Storm Cat)は、調整後の日本の獲得賞金額が後押しとなり、ブルードメアサイアーズランキングで2位である。稼ぎ頭のリアルスティールは、今年は現時点で367万1,319ドル(約3億6,713万円)を獲得している。その大半がドバイターフ(G1)の優勝賞金であるが、中山記念でも3着に健闘した。
By Eric Mitchell
(1ドル=約100円)
[bloodhorse.com 2016年7月29日「Sunday Silence Dominates Broodmare Sires」]