海外競馬情報 2017年01月20日 - No.1 - 5
初年度産駒デビュー1年目にG1優勝産駒を出す種牡馬は優秀か?(イギリス)【生産】

 フランケル(Frankel)は初年度産駒デビュー1年目にG1優勝産駒を送り出したことで、2016年欧州リーディングサイアー(産駒獲得賞金額による)上位10頭のうちの9頭を凌駕することになった[訳注:フランケル産駒ソウルスターリング(母スタセリタ)は、2016年阪神ジュヴェナイルフィリーズ(G1)を制した]。

 フランケルの父でリーディングサイアーに長年君臨しているガリレオは、2006年5月に初年度産駒ナイタイム(Nightime)が愛1000ギニー(G1)を制し、初年度産駒デビュー2年目で初めてG1優勝産駒を送り出している。

 ドバウィ(Dubawi)とシャマルダル(Shamardal)も、初年度産駒デビュー2年目の5月に、それぞれの産駒マクフィ(Makfi)とロペデヴェガ(Lope De Vega)がクラシック競走を制した[ただし、シャマルダルはそれより前に、豪州での初年度産駒フェイントパフューム(Faint Perfume)がクラウンオークス(G1)を制したことでG1優勝産駒を出している]。

 シーザスターズ(Sea The Stars)も初年度産駒デビュー2年目の5月に、サンタラリー賞(G1)で産駒ヴァジラ(Vazira)が1位入線馬ウィーアー(We Are)の失格により繰上げになったことで、最初のG1優勝産駒を出した。

 しかしフランケルは、その血統を形成している2代父サドラーズウェルズ(ガリレオの父)の記録を破ることはできなかった。サドラーズウェルズは、初年度産駒デビュー1年目に、産駒のプリンスオブダンス(Prince Of Dance)とシーニック(Scenic)がデューハーストS(G1)で1着同着となり、驚くべき種牡馬生活をスタートさせた。

 下表は、初年度産駒デビュー1年目にG1優勝産駒を出さなくても、優秀な種牡馬になれることを示している。2016年欧州リーディングサイアー10頭のうちアクラメーション(Acclamation)のみが、産駒ダークエンジェル(Dark Angel)がミドルパークSを制したことで、初年度産駒デビュー1年目にG1優勝産駒を出している。

 また、初年度産駒デビュー1年目にG1優勝産駒を送り出したからと言って、必ずしも種牡馬として成功するわけではないことを指摘しておくことも肝要である。ドバイデスティネーション(Dubai Destination)、ヘンリーザナヴィゲーター(Henrythenavigator)、オラトリオ(Oratorio)、リップヴァンウィンクル(Rip Van Winkle)、ストラテジックプリンス(Strategic Prince)のような種牡馬も初年度産駒デビュー1年目にG1優勝産駒を送り出したが、英国とアイルランドの生産者からの支持は減少した。

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By Martin Stevens

[Racing Post 2016年12月13日「Ahead of his peers with the timing of breakthrough win」]