フランスギャロ(France Galop)は、凱旋門賞開催日(10月7日)の一般入場券が150%値上がりしたことについて弁明した。パリロンシャン競馬場は改装工事を経て、この欧州最高峰レースを3年ぶりに施行する。
シャンティイ競馬場で2017年凱旋門賞(G1)が開催された日の前売入場券は30ユーロ(約3,900円)だった。しかし競馬ファンは、今年の凱旋門賞開催日のパリロンシャン競馬場の一般入場券が75ユーロ(約9,750円)だと知ることになる。SNSでは、英国の競馬ファンから批判的な反応が起こっている。
しかしフランスギャロは、施設の改善とレースの世界的名声がこの価格上昇を正当化すると主張し、2015年の同じ時期に比べて前売入場券の売行きは好調だと述べた。なお、2015年の一般入場券は20ユーロ(約2,600円)。
今年の凱旋門賞開催日には、75ユーロの入場券を購入すればパリロンシャン競馬場の新しいグランドスタンドの地上階、そしてパドックを囲む階段にアクセスできる。
馬場内の入場券は15ユーロ(約1,950円)から購入できるが、ゴールデンホーンがトレヴの凱旋門賞3連覇を阻止した3年前の10ユーロ(約1,300円)よりも高くなっている。
なお、2009年の一般入場券は8ユーロ(約1,040円)だった上に、帽子着用の女性は無料で入場できた。
フランスギャロのマーケティング担当理事のファブリス・ファヴェット・ボン(Fabrice Favetto Bon)氏はこう語った。
「私たちは、凱旋門賞を世界最大の競馬イベントだと考えています。これは『世界のトップ100・G1レース』で凱旋門賞が1位となったことで裏付けられています。そのため、凱旋門賞を他のスポーツの最大イベントと同等に扱いたいと考えています。凱旋門賞は、サッカーのチャンピオンズリーグ決勝戦やテニスのデビスカップ決勝戦に匹敵します。それに、顧客は凱旋門賞がそのように扱われることを求めているようです。これは、一大スポーツイベントであると同時に、重要な社交イベントです」。
ファヴェット・ボン氏は、最高価格のチケットの売行きが一番良いと指摘し、凱旋門賞開催日には高級なものに需要がある証拠だと述べた。
同氏はこう続けた。「英国やアイルランドなどから最高レベルの顧客がいらっしゃることを私たちは把握しています。その方々にはグランドスタンド特別指定席券付のウィークエンドパスを249ユーロ(約3万2,370円)で提供しています。このチケットは今では完売しているので、私たちの正しさは証明されたと考えています。その他すべてのチケットはまだ販売中です。今ちょうど1万枚ほどのチケットが売れており、2015年の同時期の2倍の売行きです。価格は高騰しましたが、人々は積極的な反応を示しているということです」。
入場券の価格設定を21世紀にしかるべきものにしたのと同時に、フランスギャロはチケット販売によって改装計画のための投資額が確実に補填されるようにしなければならない。
ファヴェット・ボン氏はこう語った。「フランスギャロは快適性・サービス・顧客満足度を含むホスピタリティーの質を向上させるために、パリロンシャン競馬場の改装に1億3,000万ポンド(約169億円)以上を投資しました。顧客満足度を向上させるためにこれほどの投資を行ったのであれば、その満足度の対価を引き上げるのは理に適っています」。
建築家のドミニク・ペロー氏は、旧ロンシャン競馬場を一層親しみやすくデザインする任務を担った。その結果、通常の日曜開催には新しいグランドスタンドは以前よりも親しまれるようになったようだ。しかし、その親しみやすさを奪ってしまう凱旋門賞開催日には課題が示されるだろう。
ファヴェット・ボン氏は、「2015年凱旋門賞が開催された旧ロンシャン競馬場には2つのグランドスタンドがありました。今は1つしかありません。提供できる指定席自体が以前よりも少ないのです」と付言した。
By Scott Burton
(1ユーロ=約130円)
[Racing Post 2018年9月4日「France Galop defends price rises for Arc day on the race's return to Longchamp」]