各国の競馬は厳格な施行規程の下で運営されています。施行規程の中には競馬にとって不可欠な馬の福祉を保護さらには増大させるための規定も含まれています。セランゴールターフクラブ(Selangor Turf Club:SLTC)は、競走馬が競走生活を終えた後も馬としてのケアを要するということを認識しています。
このことを考慮して、SLTCは8月のズームのセッションでIFAR(競走馬アフターケア国際フォーラム)を招いてアフターケアについての課題について発表してもらいました。SLTCの獣医・規制・競走部門、馬術センターに加えて、政府の獣医部局、マレーシアトートボード、マレーシア馬術評議会、マレーシア馬術協会、マラヤン競馬協会、セランゴール調教師協会の役員やゲストが参加しました。SLTCからは委員会メンバーであるクレメント・チュー・クアン・ホック(Clement Chew Kuan Hock)氏、ゴイク・ケンズ(Goik Kenzu)氏、そしてCEOのマイケル・フォン(Michael Fong)氏が出席しました。
SLTCの上級有給裁決委員であるフィン・パウリー(Fin Powrie)氏が1時間半にわたるセッションの司会を務め、IFARの議長であるダイ・アーバスノット氏を紹介しました。英国競馬界の公式慈善団体"競走馬の再調教(RoR)"のCEOでもあるアーバスノット氏は、サラブレッドの生涯にわたるケアを促進するというIFARの理念を説明しました。そして引退後のプログラムやアフターケアプログラムを確実に実施するにあたり競馬団体が直面している課題など、世界の現状についてのアドバイスを行いました。
また、IFARの委員会メンバーであるダイアナ・クーパー氏はゴドルフィンの慈善活動戦略アドバイザーというユニークな立場から、生産者および馬主であるダーレーとゴドルフィンの多数の引退馬を見てきた豊富な経験に基づき、引退問題をグローバルな視点から解説しました。
2016年に正式に創設されたIFARは、いくつかの重要な戦略と管理支援パッケージをすぐに打ち出しました。その1つである"アフターケア・ツールキット(Aftercare Toolkit)"について、IFARの役員であるエリオット・フォーブス博士がパワーポイントでプレゼンを行いました。同博士は競馬の規制や実務の面で豊富な経験をもち、6ヵ国で勤務経験があります。"アフターケア・ツールキット"は課題を特定し、問題を浮き彫りにし、いくつかの代替戦略と構造を提示します。競馬統括者はそれを、独自の競走馬の引退プログラムを実施する際の足がかりおよび"チェックリスト"として利用することができます。
出席者たちはIFARの役員といくつかの問題について意見交換を行いました。その後、SLTCの委員会メンバーであるクレメント・チュー・クアン・ホック氏が演説を行い、マレーシアの競馬・馬術産業のユニークな側面を紹介し、競走生活が終わった後のすべての競走馬のケアの必要性の大切さを認めました。
同氏はSLTCの委員会を代表し、ゲストの参加に感謝し、プレゼンを行ったIFARの各役員に謝意を表しました。
IFARと"アフターケア・ツールキット"については次のウェブサイトで情報を得られます。
[Selangor Turf Club 2021年9月7日「Selangor Turf Club addresses racehorse aftercare」]