海外競馬情報 2025年03月06日 - No.9 - 1
過去最大の馬福祉を訴える広告を展開(イギリス)【その他】

 英国競馬統括機関(BHA)とグレート・ブリティッシュ・レーシング(GBR)が主導し、競馬における馬の福祉の重要性をアピールするキャンペーン「ホースパワー(HorsePWR)」の再開を競馬関係者は歓迎している。

 英国競馬界において、「これまでで最も重要な大衆向けの福祉をテーマとした広報キャンペーン」と評されるこの活動は、4つの主要都市で馬の福祉について一般の人々に働きかけるために、関連画像や広告を通じて展開され、4月6日まで実施される。

 チェルトナム・フェスティバル開催で多数の障害競走を制したジェイミー・スノーデン調教師は、主要競走が近づいて1年のうち競馬が最も注目されるこの時期にキャンペーンを展開することは、タイミング的に絶妙だと指摘した。

 ランボーンを拠点とするスノーデン調教師は、馬の福祉の重要性を理解し、誰もが目にすることができるようにする必要があると説明した。

 「私たちは、競馬というスポーツにおいて競走馬の世話がいかに行き届いているかを訴え続ける必要があります。この業界外の多くの人々は、競走馬がどれほどケアされ、大切にされているかを理解していないと思います」

 「朝、馬の世話をしている少女や若者から、獣医や装蹄師まで、馬に関わる人全てです。馬たちは、大部分の人よりもケアされていると感じる時があります。人が病院に行ってレントゲンが必要だと言われても、順番待ちをしなければなりませんが、馬は獣医師がすぐに診に来てくれます」と、スノーデン調教師はコメントした。

 障害競走部門のリーディングトレーナーであるダン・スケルトン調教師もまた、このスポーツが直面する継続的な問題を認識しており、最近本紙の『Big Read』の欄で競馬の将来にとって福祉がいかに最重要課題であるかを語っていた。

 スケルトン調教師は、業界がその重要性を示す手法を変えていくことと、このテーマをどのように進化させ、改善できるかについてより確固たる信念を持つよう求めた。

 BHAとGBRが2024年4月に開始したHorsePWRでは、サラブレッドの美しさと個性をインパクトのある画像で紹介してきた。

 今回のキャンペーンでは、ロンドン、ブリストル、バーミンガム、リバプールで広告を展開することで、より広いコミュニティで馬の福祉への認知度を高め、理解を促進する。

 BHAのロビン・マウンジー広報部長は、このキャンペーンが競馬にとって「重要なターニングポイント」であることを説明した。

 「競馬界が福祉に関するメッセージをより多くの人々に直接伝えるために大きな投資を行うことは、近年で初めのことでしょう。これは、英国競馬の福祉水準の高さに対する自信と、一般の人々により適切な情報を提供することへのコミットメントを示すものです」と、マウンジー氏はコメントした。

 GBRの馬福祉コミュニケーション部門責任者であるガビ・ウィットフィールド氏は、次のように語っている。

 「馬の福祉は、一般的な関心事であると同時に、一部の人たちにとっては競馬に参加するための弊害でもあります。私たちは、英国競馬界として福祉について明確で、信頼でき且つ視覚的に訴える方法で事実を提供できるようにしたいと考えています」

 「HorsePWRは、競馬界への信頼性を高め、誤った情報と闘い、サラブレッドの誕生から引退までの安全と福祉に対する我々のコミットメントを示すものです。私たちは、この最新のキャンペーンに資金を提供してくださった競馬賭事賦課公社(Levy Board)に大変感謝しています」。

By Liam Headd

[Racing Post 2025年2月26日
「London buses get more HorsePWR as racing's revamped welfare campaign hits the streets」]